夢の話

僕は関西方面にロケに行った。夕方到着すると、ひとりビジネスホテルを抜け出して飲みに出た。比較的小さい郊外の駅を歩くと商店街の一角に飲み屋があった。ビールケースにベニヤ板のベンチに折り畳みテーブルという露店の店だ。海鮮居酒屋の赤ちょうちんがあり、確かにザルの上に魚介類が並んでいる。Tシャツ前掛け姿の兄さんに何が旨いのか尋ねると、ウチは高級店だからといって蒸しアワビを刻んで串にさしたものとなぜかソーセージをすすめる。氷が入った金ダライに缶ビールとチューハイが浮かんでいるも日本酒を頼む。別の兄さんが見たことのないラベルの酒をコップに注いでくれた。358円だそうだ。ベンチに座るとさっきまで誰もいなかったのに数人の客が陣取っている。隣に座った恰幅の良い中年のおじさんに話しかけられる。昔の映画の話などをする。蒸しアワビ串焼きは醤油ダレで出てきた。店員だったという痩せて背の高い女の子が左隣に座って少し話す。彼女はタバコを吸い、僕に一本すすめた。細長くメンソールのタバコは学生時代を思い出した。2杯目の日本酒を飲み終えたところで店を出た。会計は2,500円だった。街は暑くも寒くもなく少し焼き鳥のにおいがした。すべて夢の話。

今日はベーコンを燻煙にかけた。