湖畔

瞳はレンズ。 瞼はシャッター。 まばたきをする。 瞬間、世界は真っ暗になる。 写真はその真っ暗な時間。

古い米1カップ

まず考えよう。 グラスにウイスキーを注いで。 皮付きのジャガイモを半月に切る。 ベーコンを1枚さくに切る。 ニンジンのかけらを見つけ拍子木に切る。 小さなフライパンを火にかける。 オリーブオイルをひとたらし。 イエローカ...

歩く夢

街を歩きながら右手を見る。 握りしめて、グー。 左手はパー。 ぼく(主体右手)は負けた。 夢の中のことだけど。くやしい。 今のはナシ。 次の角を曲がったところで勝負だ。 右手はチョキ。 左手はグー。 なんていうことだ。ぼ...

ウィスキーを飲みながら

肌寒さを感じる 寒さとは僕の体温をとられることなのだ。 おそらく。僕ではないもの。 例えば。薪のもつぬくもり。 容赦なくはぎとる。 そうして薪は乾燥していくのだろう。 寒い。

真っ白になる

すでに現役では使われなくなったデジタルカメラ。 きれいに磨いて、バッテリーをフル充電して最後の動作確認。 現役で使っていたころからのいつもの手順。 それからいつもでない手順。 一切の設定を初期化して所有者情報の削除。 付...

自在なうつわ。

いっこうに涼しくならないものの、 花は着々と秋を深めているもよう。 沢白菊に、西洋かまつか。 どちらも、すんなりと縦に伸びる方向性の花なので、 細口の花入とか、筒状の掛花なんかが合う。 入れかけて、いやいや、こっちにしよ...

もっとも手早くもっとも簡単

風呂を焚くついでに栗も焼いてしまう。 はじける美味さ。 食べる瞬間に爆発して顔面栗まみれになる。 たしか昨年も同じく栗まみれになった。 一呼吸おいて食べればいいのに。 大人は反省しない。

ロッジのスキレット。

ケンショウエンとつきあっているくせに、 また重たい鍋を買ってしまった。 売り場でびびっとくる。 心動かされる鍋は、どういうわけか、鋳物ばかり。 どうやら、鋳物の鍋に、とくべつの愛を感じるたちらしい。 今度のは、ロッジのス...

仕事場から畑を望む

夏野菜が終わり新たな苗と種を植える。 虫の食害を防ぐために白いネットをかぶせる。 U字型の支柱が必要になる。 竹を入手して斧で裂いて曲げる。曲がらない。 畑の脇でたき火して焼き曲げる。傍ら、鍋に湯を沸かして蒸気をかける。...

谷中しょうがの最後

谷中しょうがとフツーのしょうがの違いは分からぬが。 子供の頃より、酢醤油に半日から一晩ひたして食べていた。 これは大人の味覚で「頭がバカになるから」という理由で1本以上は食べることは許されなかった。 大学生になり、いっぱ...