南風に、花の香り。

朝、2階の窓を開けたら、花の香りが飛び込んできた。
下を見ると、裏に植えたヤマユリの、最初のひとつめが咲いていたのだった。
この一本、とてもとても巨大化していて、おそらく1m50はあるんじゃないかと思う。
蕾を数えてみたら、10個はある。
その一番花だから、こどもの頭より、大きい。
香りもとうぜん、強い。
起き抜けのさわやかな感じはどこかにいってしまうようだ。
そもそも、この濃厚で重ったるい感じ。
たぶん、空気が乾いていたら、そんなふうに感じないのだと思う。
南風に乗ってやってくる、湿ったあたたかい空気のせいも、いくぶんあるんじゃないだろうか。

さて、花を。と庭に出て、切ったのも、香りの強い花。なんだか今日は、匂いにつられている気がする。

二番花が咲き出した、テイカカズラ。
可憐な見た目のわりに、ねっとりした香りがある。
食器棚の中に、一本生ける。

花 定家葛
器 打田翠