ハイビスカスを。

一輪。
というイメージのあるハイビスカス。
なのに、今日、5輪も咲いている。

だから何だ、といわれるとそれまでなのだが、
ちょっと、うろたえる。
ハイビスカスは、一日花だ。
朝咲いて、夕方には萎んでしまう。
毎日ひとつずつ、咲いてくれたらいいのに。
と身勝手な思いがよぎる。

今夏、初めて、ハイビスカスの鉢植えを育てている。

もとはと言えば、撮影用にもとめた花。
切り花では入手しにくいので、
鉢花で買ったのです。
二本の木をねじり合わせ、上部は丸いトピアリー状に仕立てたりっぱな株。
蕾がたくさんついていた。
それが、次々咲き、まだまだそれは続きそう。

耳の後ろに挿したハイビスカス一輪。
かつて、水着を着て、にっこり笑うポスターのおねえさんには、かならずこの花がつきものだった。

もしかして、そのせいかもしれない。
何輪も生けられない。
まずしい想像力に自分でもカナシクなるけれど。
でも、どうがんばってみても、
今日も、一輪。

花 ハイビスカス 龍の髭
器 打田翠